水と藁を混ぜ、古土を発酵させる
古土は、長年の使用で粘り気が失われた「さくい」状態になっています。これを再び土壁に適した粘り気のある状態に戻すために、藁と水を混ぜて発酵させます。発酵が進むと藁から溶け出す成分が、糊のような役割を果たしてくれます。
この発酵プロセスは非常に手間がかかります。定期的にクワで練り込み、月に1回は土を底から返して酸素を送り込む必要があります。
こうしてじっくり発酵させた古土は、粘り強さと柔軟性が戻り、調湿性など土壁本来の性能を取り戻します。また、発酵の過程で有害物質が分解され、さらに環境に優しい素材へ進化すると考えられます。